見逃すことができない!オーナー家の納税問題の需要さ

オーナー家にかかる相続税の納税問題
 

オーナー家にかかる相続税問題は、評価や分割の問題よりも、むしろ納税問題で苦労するケースがあります。事業承継における相続税問題は、相続の発生するタイミング次第では、時には株式の評価が高くなることがあり、相続税が高額となる可能性があります。
 相続税の納税義務者は、相続人である個人です。また、相続税の納税は、現金による一括納付が原則です。

一括納付ができない場合には、借入金や延納などの手段に頼るしかありませんが、今度はその後の借入金の返済資金や延納相続税や延納利子税の資金の捻出に苦労してしまうことが多くあります。
 相続した株式の物納という選択肢もありますが、これには一定の要件があり、必ずしも物納ができるわけではありません。また、仮に物納ができた場合でも物納後、一定期間内に買い戻しをすることが条件とされており、買い戻すための資金準備が必要となってきます。

オーナー家の相続の際の納税資金は会社が対応する

 結局のところ、オーナー個人で納税資金の準備ができなければ、会社がオーナーの相続税の納税資金の対応をするしかありません。会社がオーナーの相続に適切に対応するため、会社の財務政策の一環として、事前に相続税の納税資金対策を講じていく必要があります。

会社から個人への資金提供方法と問題点

会社から相続人である個人に資金を提供する方法として、主に三つの方法が考えられます。

貸付金による納税資金の確保

まず、貸付金による方法は、会社から相続税の納税に必要な資金を貸し付け、納税する方法です。

この方法はシンプルですが、その後、後継者が会社に金利を乗せて返済を行っていく必要があります。

その返済のため、役員報酬を増額することにより対応する場合には、役員報酬を受け取る個人には所得税が課されるほか、健康保険などの社会保険料も増額されることになります。また、役員報酬が高額となると、過大役員報酬として損金算入を否認されるケースなどがありますので、留意する必要があります。

金庫株(自己株)による納税資金の確保

次に、金庫株による方法ですが、これは会社の自社株を相続人が会社に売却することにより納税資金を捻出するという方法です。
相続発生後3年10カ月以内に相続した自社株を用いて金庫株取引を行った場合には、譲渡所得として扱うことのできる特例が用意されています。(租税特別措置法第9条の7)。

死亡退職金による納税資金の確保

さらに、死亡退職金として引き出す方法ですが、相続税の申告上、死亡退職金のみなし相続財産として取り扱われることになります。相続税の計算上、この死亡退職金には、一定額の退職金控除が認められます。

事業承継税制の特例を活用する方法

事業承継税制の特例を利用することも有効です。

この事業承継税制特例については、中小企業の事業承継にかかる相続税問題の切り札として2009(平成21)年より認定が開始されました。

未上場企業の株式を相続する場合に、後継者にかかる相続税額のうち、議決権株式(相続後で発行済議決権株式等の3分の2に達するまで)などの80%に対応する相続税の納税を猶予できる制度です。こちら平成30年の改正で、10年間あいだに贈与を実行すれば議決権株式の全部について、相続税の納税を猶予できる制度も設けられています。

 2016(平成28)年度版中小企業白書によれば、2015(平成27)年12月末までに相続税にかかる認定が827件、贈与税にかかる認定が431件実施されています。こちらも合わせて検討されることをおすすめします。

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