昨今、ニュースで見ない日はないビットコイン!
この度、国税庁HPにおいてビットコインを使用した場合の課税関係が発表されました。
ビットコインを使用した場合の課税は雑所得
[平成29年4月1日現在法令等]
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
(所法27、35、36)
参考 国税庁HP タックスアンサー No.1524 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm
このタックスアンサーによると、ビットコインを使用することで生じた利益は原則として「雑所得」として所得税の課税対象になるとこのとこです。
この場合の利益とはビットコインを購入した時点と使用した時点(他の財貨や物品、サービスとの交換)で円に換算した差額をいいます。
「雑所得」は総収入金額から必要経費を引いて認識しますので、ビットコインの差益を得るために使用した電気代やPC代は経費として認められる可能性が高いので、しっかりと領収書等をとっておきましょう。
ビットコインは贈与税の対象になる?
贈与税は「財産」をもらったときにかかる税金です。
例えば親が自分のビットコインを子供にあげた場合、贈与税はかかるのでしょうか?
現状の法令でビットコインが贈与税の課税対象となるかどうかの判断はまずビットコインが「財産」になるのか
を考える必要があります。
この点、税務上の議論はあるものの29年4月施行された改正資金決済法では、ビットコインは①プリペイドカード等でなく②インターネットなどを通じて不特定多数の間で物品やサービスの購入に使用したり③通貨と交換ができたりするもの、で「財産的価値」と定義されています。
ビットコインが「財産」となれば、あげたときの時価が贈与税の課税対象となります。
ではビットコインが民法上の「財産」でないと考えた場合はどうでしょうか?
実は、この場合でも贈与税の課税対象となるのです。
贈与には相続税法9条に「みなし贈与」という規定があります。これは対価を支払わずになんらかの利益を受けたと認定できる場合は、贈与財産とみなして贈与税の課税対象とするという規定です。
贈与税は贈与した時点での時価に対して課税するものなので、親から子供に「秘密鍵」をあげた時点で課税の対象になるものと考えられます。
ビットコインは相続税の対象になる?
相続税は「財産」を相続によりもらったときにかかる税金です。
さきの「贈与税」がかかるんだから「相続税」も当然かかるんじゃないの?と考えがちですが、現状ここは議論の余地があると考えています。
ビットコインが民法上の「財産」でないと考えた場合はどうでしょうか?贈与税には「みなし贈与」という規定があり、利益について課税されましたが、相続税の場合はどうでしょう?
相続税にも似たような言葉で「みなし相続財産」という規定あります。
みなし相続財産とは、生命保険や死亡退職金など亡くなった日には、財産として持っていなかったけれども、被相続人の死亡を原因として、相続人がもらえる財産のことです。ビットコインはこちらにはあたりません。
またビットコインは財産的価値はあるものの、その保有者であることを証明する一つの方法が「秘密鍵」の所有です。遺族に「秘密鍵」を教えていなかった場合は、遺族はビットコインを入手することは難しいです。
その点からもビットコインが「相続財産」として課税されるのかは現状のところ不明確。また新しい情報が出次第お伝えしていきます。
なお、ビットコインの秘密鍵を遺言書で残す、「遺贈」をした場合、これは「みなし贈与」の規定にかかり利益を財産とみなされて相続税が課税されますのでご留意ください。
相続・贈与に仮想通貨を、という場合は一人で判断せず、税理士等に相談することをお勧めします。
相続に関する初回相談は無料ですので、お気軽に相続税の専門税理士が運営する「東京 相続税相談窓口」へお問い合わせください。