ペットに遺産を遺すためには|負担付き遺贈の活用

 

犬の平均寿命は10年から13年といわれていますが、15歳以上も珍しくありません。

猫の場合は家猫で16年くらいだそうですが、20歳くらいまで生きる猫もいます。

ペットの食事や健康にも気を配り、大切に飼育するようになったことで寿命も延びてきたのだと思われます。

 

高齢でペットを飼われている方もたくさんいらっしゃいますが、もし自分がペットより先に亡くなった時に、他に世話をしてくれる人がいなかったら、ペットの将来が心配でたまらないことでしょう。

 

ペットのために遺産を遺したり、面倒を見てくれる人を見つけてあげるにはどうすればよいのでしょうか。

 

ペットは相続人や受遺者にはなれません

海外では、ペットに遺産を遺すことを認めているところもあるようですが、わが国の民法では、ペットは相続人にも受遺者(遺言により遺産の贈与を受ける者)にもなれません。

 

いくら飼い主が家族同様に思っていても、ペットは民法上、モノとして扱われます。

相続人になれないのは言うまでもありませんが、受遺者となれる者も人もしくは法人である以上、ペットが遺産を受け取ることはできません。

遺言書にペットに財産を遺贈すると書いたとしても効果はありません。

 

 ペットに遺産を遺すためには

ペットを直接遺産の受取人とすることはできませんが、自分の遺した財産をペットのために使う方法がないわけではありません。

採りうる方法として、負担付遺贈とペット信託について説明しましょう。

 

遺言で負担付遺贈を活用しましょう

負担付遺贈とは、受遺者に一定の行為を負担させることを内容とするものです。

母親の介護をすることを条件に財産を与えるとか、住宅ローンを引き受けることを条件に家を与えるというものです。その内容の遺言書を作成しておかなければなりません。

 

ペットのために遺産を使ってもらいたいなら、面倒をみてくれそうな人に、ペットの面倒を見ることを条件として財産を遺贈するという遺言を作成すればいいということです。

 

受遺者は、遺贈された財産の価額の範囲内で、負担した条件の義務を負います。

もし、受遺者が遺産を受け取ったにもかかわらず、負担の義務を果たさない場合は、相続人は負担の履行を請求することができ、相当期間内に履行しない場合には、家庭裁判所に遺言の取り消しを請求することができます。

 

とはいえ、ペットのために遺産を正しく使ってくれるかどうかわからないという不安もあります。

負担付遺贈を選択するなら、ペットを大切にしてくれそうな信頼のおける人を選んで、受遺者としておきましょう。

またこの監視をしてくれる方を遺言を書く際の遺言執行者とすることがおすすめです。遺言執行者はだれでもなれますので、信頼できる弁護士さんや税理士さんに依頼されるケースも多いです。

 

ペット信託を活用しましょう

ペット信託は、まだ新しい制度ですが、遺贈と違って、飼い主の存命中にペットのための資金を準備することができます。

信託財産と相続財産は別に扱われますので、相続の際にもめごとになることも避けられます。

 

ペット信託には、自分で会社を設立する方法とペット信託の取扱業者に依頼する方法とがあります。

 

前者は、まず、飼い主が管理会社を設立して、ペットに残したい財産をあらかじめ管理会社に移しておきます。

そして、飼い主が亡くなった後に新しい飼い主になってくれる人や預かり施設と信託契約を結び、その者を受益者とする旨を記載した遺言書を作成します。

 

信託には、信託監督人を設置して、新しい飼い主の飼育の状況や飼育費の管理を見守ってもらえるというメリットがあります。

ただ、会社設立による方法は、会社設立費用や専門家に依頼する費用の負担が大きいので、負担付遺贈と比べるとハードルが高いかもしれません。

 

後者は、NPOなどが運営していますが、信託会社と信託契約をし、遺言で信託の受益の権利をNPOに譲ることとしておきます。

飼い主が亡くなった後、NPOがペットの里親探しや終生見守りをしてもらえるような内容となっています。

 

資金に余裕があれば、これらのペット信託を活用してもよいでしょう。

 

どんなペット施設があるの?

ペット信託を選択した場合、預かり施設にまかせるのがよいのか、それとも新しい飼い主を探すのがよいのか迷われることでしょう。

 

 一生あずかりのペットホーム

ペットを預かってくれる施設には老犬・老猫ホームなどがありますが、生涯面倒を見てくれる施設もあります。

最近では、需要があるためか、施設数も増えてきて、冷暖房完備で、スタッフも24時間常駐し、獣医師と提携しているなど老人ホームなみに充実した施設も多いようです。

 

ただ、終身預かりの場合は、小型犬でも費用は平均して100万円を超えます。大型犬だと300万円を超えることもありますし、年齢が低いほど高額の負担となります。

 

また、新しい施設が多いだけに、経営できなくなって閉鎖されてしまう可能性もあります。

大切なペットを安心して任せられる施設かどうか自分の目でよく確かめることが必要です。

 

ペットの里親を探す方法

施設に預けるのは不安なので、新しい飼い主を見つけたい場合、信託を取り扱うNPO法人では、里親探しまでしてくれるところがあるようです。

よい飼い主に巡り合える可能性もありますが、高齢の犬や猫の場合は、里親を探すのはなかなか難しいかもしれません。

自分の知り合いで、信頼できる人にペットのお世話をお願いすることができれば、ベストなのですが。

 

ペットに遺産を遺すためにはまとめ

ペットを飼っている人にとっては、ペットも大切な家族です。自分に何かあっても、残されたペットが幸せな生涯を送れるように、事前に準備をしておくことが大切です。

どんな遺言や信託を書いたらいいのか、東京相続税相談窓口ではお客様の状況に応じて、しっかりと相談に乗らさせていただきます。まずはお気軽にご相談下さい。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連記事

  1. いざ相続、と言う時にどんな手続きが必要なのか?相続専門の税理士がお答え…

  2. 未成年者がいる場合の相続手続きや相続対策

  3. ゴルフ会員権が相続財産にある場合

  4. 相続税が0円でも相続税申告が必要な場合が!

  5. 準確定申告!申告期限は4か月です

  6. 外国の不動産を相続した場合どうする?