相続税を安くするには!?控除について知ろう!相続税専門の税理士が解説

 相続について様々な話をしてきましたが、そもそも相続する際の税金、相続税はどのようにして決まるのでしょうか?

それを知ることでどうすれば相続税を安くすることができるのか、を知る事ができます。

 

相続税を安くする方法はいくつもあるのですが、ここではまず控除について考えてみたいと思います。

 

税金は、収入-(経費+控除)×税率、で決まる

そもそも税金をいくら納めなければならないか、どのようにして決まっているのでしょうか?

これは直接税と間接税で異なっています。

間接税である消費税などは、商品等を購入する時に一律で8%を決められています。

また、ガソリン税は1リットルに対し53.8円という形で税金が課されています。

他の間接税である酒税やたばこ税なども、商品価格の一部が税金として徴収されています。

それに対し直接税は、収入から経費を引き、利益に対して税率がかかります。

ただ、それぞれの事情によって生じる要素、控除があります。ここで所得税について見ていきましょう。

所得税の控除とは

会社から給与が支払われる際、給与明細をしっかり見た事はありますか?

ここに様々な控除の項目が並んでいます。

基礎控除、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除・・・、他にも障害をお持ちなら障害者控除、各種保険に加入していれば生命保険控除・地震保険控除などがあります。

収入が同じでも、それぞれの事情に合わせてより公平に税金を課すために、様々な控除があるのです。

相続税の控除とは

相続税でも、もちろんこの控除があります。

簡単に相続税を算定するには、 (相続した資産-控除)×税率 で出す事が出来ます。

ではこの相続税の税率を見てみましょう。

課税所得金額

税率

控除額

1000万円以下

10%

----

3000万円以下

15%

50万円

5000万円以下

20%

200万円

1億円以下

30%

700万円

2億円以下

40%

1700万円

3億円以下

45%

2700万円

6億円以下

50%

4200万円

6億円超

55%

7200万円

 

 つまり控除を超えた金額が800万円であるなら、その10%、80万円が相続税として課されます。

そして相続する財産が多ければ多いほど、税率は上がっていき、最高で55%もの税金が課されるのです。

そんなに相続税で持って行かれたらたいへん! ほとんどの方はそう思うかもしれません。

しかし大丈夫。相続税は基礎控除がかなりあります。

ではこの基礎控除はどのような仕組みになっているのでしょうか。

相続税の基礎控除とは

基礎控除は法定相続人の数がポイントです。

現在、相続税の基礎控除は、3,000万円+(法定相続人の数×600万円) となっています。

例えば夫が亡くなり、奥さんと子供2人が残されたとしましょう。

財産は戸建ての家、2,500万円、預貯金2,000万円だったとします。

相続する資産は4,500万円あるので、控除を行わない場合、税率は15%になるので、675万円の税金が課されます。

しかし基礎控除があります。これを計算に入れてみましょう。

まず、基礎控除が、 3,000万円+(3人×600万円)=4,88万円 となります。

資産が4,500万円ですので、基礎控除枠の中に収まるため、税金はかからないのです。

 

もし子供が一人だった場合は、基礎控除が4,200万円となるため、300万円が基礎控除を上回ります。

この場合の税率は10%ですので、30万円の税金を払わなければなりません。

奥さんが先に亡くなり、子供が一人で相続する場合は、基礎控除が3,600万円、900万円が基礎控除を上回るので、90万円の税金が課されます。

基礎控除は、誰もが受ける事ができる控除です。

その他に、状況に応じて使える控除もあります。

配偶者控除とは

例えば配偶者控除などは、使い方によって大きく課税額を減らす事ができます。

夫婦は一緒になって生活をし、財産を築いてきた、という考え方があります。

また、夫婦は年齢が近い事が多いため、夫が死んで妻と子が残された場合、妻に一度財産が行き、その際に相続税がかかって、その後すぐに妻が亡くなれば、同じ財産に何度も相続税がかかってしまいます。

さらに夫(妻)がなくなったことで財産が一気に減り、生活に困窮してしまうことを防ぐため、配偶者控除が基礎控除とは別に設けられています。

配偶者控除は非常に控除額が大きいのが特徴です。

その内容は、 配偶者の課税価格が1億6,000万円まで、もしくは課税価格が1億6,000万円を超えても法定相続分までなら相続税はかかりません。

 

 例えば夫が亡くなり、妻と子供二人残された場合を考えてみましょう。

この場合で、4億円の資産が残されたとします。

その際、配偶者の法定相続分は50%です。

よって法定相続通りに分けると、妻は2億円の財産を受け取る事ができます。

2億円もの財産を相続するのだから、相続税はかなりかかってしまうと思ってしまいますが、この2億円は法定相続の範囲内なので、相続税はかかりません(もちろん子供が受け取る1億円ずつには相続税が課されます)。

もしここで残された財産が2億円だった場合、法定相続でいけば妻が1億円、子供が5,000万円ずつとなります。

 

ただし妻=配偶者控除があるので、遺産分割協議で妻が1億5,000万円、子供がそれぞれ2,500万円、という分け方をした場合も、配偶者控除の1億6,000万円以下なので、妻に対する相続税は発生しないのです。

その他の控除

未成年者控除や障害者控除などがあります。

これは法定相続人が20歳未満の場合や、障害者の場合など、課される税金が安くなる控除です。

未成年者控除とは

 未成年控除は、 6万円×(20歳―相続した時の年齢) で計算します。

例えば、相続する子供の一人が13歳だった場合、20歳までの年齢は7年あるので、6×7=42万円の控除を受ける事が出来ます。

障害者控除とは

 また、障害者控除は70歳が基準となり、一般障害者の場合は1年につき6万円、特別障害者の場合は1年につき12万円で計算されます。

一般障害者とは、障害者手帳の身体障害等級が3-6級、もしくは精神障害者福祉手帳で2級または3級の方です。

特別障害者とは、身体障害者手帳で1,2級、精神障害者福祉手帳で1級の方です。

相似相続控除とは

 他にも相次相続控除、というのがあります。

これは父親が亡くなり、その数年後に母親が亡くなった場合、子供は短い間に相続を繰り返さなければなりません。

前の相続税を払っても、すぐにまた相続税がかかってくるため、納税額を軽減しよう、という制度です。

そこで10年以内に続けて相続があった場合、2回目の相続では1回目に払った相続税の一部を控除として差し引く事が出来ます。

外国税額控除とは

 さらに外国税額控除という、海外で相続税を支払った場合、その金額分を日本の相続税から控除する制度などもあります。 不安があればまずは税理士に相談を

 

相続税がかからなくても、相続税を申告しなければならない場合がある

 ここまで様々な相続税の控除を見てきましたが、相続される財産が基礎控除に収まっている場合は、非常に簡単です。

その場合は相続税の申告は不要なので、わざわざ税務署に行って書類を書いたりする必要はありません。

ただし、他の控除を使って相続税を安くする場合は、税務署への申告が必要となります。

「私は配偶者だから、配偶者控除があるので相続税は支払わなくてもよい」 と思って税務署に申告をしなければ、この控除を受ける事はできません。

なぜなら「配偶者の税額軽減」を受ける条件として相続税の申告をしなければならないからです。

相続税がかからなくても、相続税を申告しなければならない場合がある、ということは覚えておかなければなりません。

 

その他の特例もいろいろあり

 次回に触れますが、相続の際は「小規模宅地等の特例」や「広大地の評価」など、控除以外にも相続税の負担を軽くする方法はあります。

また、相次相続控除などは、計算が複雑ですし、外国に資産がありその国で相続税を支払った場合の控除などは、必要な書類も増え、申告書の作成も難しくなります。

また、資産に不動産が含まれていている際は、知らぬ間に地価の高騰などにより相続する財産が基礎控除を上回ってしまっている、といった場合もあります。

受け継ぐ財産が明らかに基礎控除内に収まるのでしたら、自分たちで手続きをする事も出来ますがちょっとでも不安があればすぐに税理士等に相談した方が良いでしょう。

 初回相談は無料ですので、お気軽に相続税の専門税理士が運営する「東京 相続税相談窓口」へお問い合わせください。

 

※無料相談・面談・相続申告のお見積りなどをご希望の方は下記フォームを入力し、「送信する」をクリックください。

 

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